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ガバナンス・コード
愛知産業大学ガバナンス・コード(令和4年9月29日施行).pdf
愛知産業大学・愛知産業大学短期大学 ガバナンス・コード
学校法人愛知産業大学
令和4年9月29日制定
目 次
第1章 私立大学の自主性・自律性(特色ある運営)の尊重 ・・・・・・ 2
1-1 建学の精神
1-2 教育と研究の目的(私立大学の使命)
第2章 安定性・継続性(学校法人運営の基本)・・・・・・・・・・・・ 4
2-1 理事会
2-2 理事
2-3 監事
2-4 評議員会
2-5 評議員
第3章 教学ガバナンス(権限・役割の明確化)・・・・・・・・・・・・ 8
3-1 学長
3-2 教授会
第4章 公共性・信頼性(ステークホルダーとの関係)・・・・・・・・・10
4-1 学生に対して
4-2 教職員等に対して
4-3 社会に対して
4-4 危機管理及び法令遵守
第5章 透明性の確保(情報公開)・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
5-1 情報公開の充実
第1章 私立大学の自主性・自律性(特色ある運営)の尊重
私立大学の存在意義は、建学の精神・理念にあり、それに基づく独特の学風・校風が自主性・自律性として尊重され、個性豊かな教育・研究を行う機関として発展してきました。
私立大学は、社会の発展と安定に不可欠な極めて厚い中間層の形成に大きく寄与してきました。また、私立大学は地域社会において高等教育へのアクセスの機会均等と知的基盤としての役割も果たしてきました。
今後とも、学校法人愛知産業大学が設置する愛知産業大学及び愛知産業大学短期大学は、建学の精神に基づく、私立大学としての使命を果たしていくために、また、教職員はその使命を具現する存在であるために、日本私立大学協会の制定した「私立大学版ガバナンス・コード」を規範にし、適切なガバナンスを確保して、時代の変化に対応した大学づくりを進めていきます。
また、中期的な計画を策定・公表し、学生をはじめ様々なステークホルダーに対し、私立大学の教育、研究及び社会貢献の機能を最大化し、価値の向上を目指していきます。
1-1 建学の精神・理念
(1)建学の精神・理念
「豊かな知性と誠実な心を持ち 社会に貢献できる人材を育成する」
(2)建学の精神に基づく人材像
私たち学校法人愛知産業大学は「社会に貢献できる人材」の育成を教育の基本理念としています。「社会に貢献できる人材を育成する」という教育の基本理念を遂行するために、「豊かな知性を持つ人材の育成」及び「誠実な心を持つ人材の育成」を教育方針とした教育活動を行います。
「豊かな知性」とは、広い知識と深い教養を備え最良の判断のできる能力であり、そのためには、何事にも積極的に取り組み、努力を惜しまない姿勢が大切であります。
「誠実な心」とは、真心と愛情にあふれた真面目な心であり、そのためには、何事にも心からの誠意を以って接し、心から感謝し、礼儀正しくあることであります。
社会に貢献できる人は、この「豊かな知性」と「誠実な心」を兼ね備えた人であります。建学の精神に掲げる「豊かな知性」と「誠実な心」を持つ人材を育成することにより、私たち学校法人愛知産業大学も社会に貢献できるものと考えます。
(『学校法人愛知産業大学 学園60年のあゆみ』より)
1-2 教育と研究の目的(私立大学の使命)
(1)建学の精神・理念に基づく教育目的等
本学の建学の精神(理念)に基づく、教育目的及び研究目的は次のとおりです。
① 大学の使命・目的(学則第1条)
本学は教育基本法と学校教育法に基づき、各種産業に関する知識と学術を授けるとともに、深く専門の技能・理論及び応用を教授研究し、人格の完成を図り英知と勤勉な国民性を高め、産業及び文化の発展に貢献することを目的とする。
② 造形学部の教育研究の目的
産業・地域・生活における建築及びデザインという造形行為を通して、社会に貢献できる人材を育成する。
③ 造形学部建築学科の教育研究の目的
豊かな建築・都市環境の創造と保全を通して、産業・地域・生活に貢献できる人材を育成する。
④ 造形学部スマートデザイン学科の教育研究の目的
確かな人間理解と生活感覚をもとに、社会と暮らしのあり方をデザインする人材を育成する。
⑤ 経営学部総合経営学科の教育研究の目的
複雑化する現代社会に対応できる実践的能力を身につけることを通して、産業・地域・生活に貢献するビジネスパーソンを育成する。
⑥ 大学院の使命・目的(大学院学則第1条)
本大学院は、教育基本法と学校教育法に基づき、各種産業に関する高度な知識と学術を授けるとともに、深く専門の技能・理論及び応用を教授研究し、人格の完成を図り英知と勤勉な国民性を高め、産業及び文化の発展に貢献することを目的とする。
⑦ 造形学研究科の教育研究の目的
人間の生活に不可欠な造形活動を、生活を包み容れる建築空間を創り出す「社会造形」と、日常行為を支える用具や生活様式を提案する「生活造形」の面から深く探究し、これらの実務に携わる、高度な倫理観と知識・技能を併せもった実践的職業人の育成を目的とする。
⑧ 造形学研究科建築学専攻の教育研究の目的
現代の建築・都市文化が関わる自然環境及び社会環境を視野に入れた建築学の学問的深奥を追究し、人間の営為を支え育む空間創出としての「社会造形」に携わる総合的な職能教育を理念とし、高い倫理観に立ち、高度な知識・技能を持った実践的職業人の育成を目的とする。
⑨ 造形学研究科デザイン学専攻の教育研究の目的
人間の基本的諸性質の原理的考察と現代社会が抱える諸問題の検討に基づき、デザイン行為の在り方と進むべき方向を探究し、よりよい日常創出としての「生活造形」を旨とする総合的な職能教育をめざし、高い倫理観と知識・技能を具えた実践的職業人の育成を目的とする。
⑩ 短期大学の目的(短期大学学則第1条)
本学は教育基本法と学校教育法に基づき、一般教養および専門の学問、技術を教授研究し、実社会に適応できる豊かな人間性と創造性を備えた人材を育成し、もって地域社会の教育、学術文化ならびに産業の発展に寄与することを目的とする。
⑪ 国際コミュニケーション学科の教育研究の目的
英語等の語学力、日本語教育、コミュニケーション、あるいは日本を含めたさまざまな国の文化や歴史など、国際コミュニケーションに必要な多様な知識を教授し、国際的に活躍できる人材の育成を目指す。
(2)中期的(原則として5年以上)な計画の策定と実現に必要な取組みについて
① 安定した経営を行うために、認証評価を踏まえて中期的な学内外の環境の変化の予測に基づく、適切な中期的な計画の検討・策定をします。
② 中期的な計画の進捗状況、財務状況については、評議会、教授会等で進捗状況を管理把握し、その結果を内外に公表するなど、透明性ある法人運営・大学運営に努めています。
③ 財政的な裏付けのある中期的な計画の実現のために、外部理事を含めた経営陣全体や、経営陣を支えるスタッフの経営能力を高めていきます。
④ 改革のために、教職協働の観点からも事務職員の人材養成・確保など事務職員の役割を一層重視します。
⑤ 経営陣と教職員が中期的な計画を共有し、教職員からも改革の実現に際して積極的な提案を受けるなど法人全体の取組みを徹底します。
⑥ 中期的な計画に盛り込む内容例
ア 建学の精神・理念に基づき育成する具体的な人材像とこれを実現する教育目標
イ 教育改革の具体策と実現見通し
ウ 経営・ガバナンス強化策
エ 法人・教学部門双方の積極的な情報公開
オ 財政基盤の安定化策
カ 設置校の入学定員確保策
キ 設置校の教育環境整備計画
ク グローバル化、ICT化策
ケ 計画実現のためのPDCA体制
(3)私立大学の社会的責任等
① 自主的に運営基盤の強化を図るとともに、本学の教育の質の向上及び経営の透明性の確保を図るよう努めます。
② 学生を最優先に考え、文部科学省、日本私立学校振興・共済事業団、教職員、学生父母、卒業生、地域社会構成員等他のステークホルダーとの関係を保ち、公共性・地域貢献等を念頭に学校法人経営を進めます。
③ 私立大学の目的達成のためには、多様性への対応が不可欠との認識に立ち、男女共同参画社会への対応や、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針をはじめ、多様性への対応を実施します。
第2章 安定性・継続性(学校法人運営の基本)
私立大学は、社会から、教育・研究及び成果の社会への還元という公的使命を負託されており、社会に対して説明責任を負っています。従って、その設置者である学校法人は、経営を強化しその安定性と継続性を図り、私立大学の価値の向上を実現し、その役割・責務を適切に果たします。学校法人は、このような役割・責務を果たすため、自律的なガバナンスに関する基本的な考え方及び仕組みを構築します。
2-1 理事会
(1)理事会の役割
① 意思決定の議決機関としての役割
ア 理事会は、学校法人の経営強化を念頭におき業務を決し、理事の職務執行を監督します。
② 理事会の議決事項の明確化等
ア 理事会において議決する学校法人における重要事項を寄附行為等に明示します
イ 理事会において議決された事項は、決議録に記録し、保管するとともに、季刊発行する「理事会便り」にて、教職員へ周知します。
ウ 理事会へ業務執行者から適切な報告がなされるよう留意します。
③ 理事及び大学運営責任者の業務執行の監督
ア 理事会は、理事及び設置大学の運営責任者(学長、副学長及び学部長等)に対する実効性の高い監督を行うことを主要な役割・責務の一つと捉え、適切に大学の業務等の評価を行い、その評価を業務改善に活かします。
イ 理事会は、適時かつ正確な情報共有が行われるよう監督を行うとともに、内部統制やリスク管理体制を適切に整備します。
④ 学長への権限委任
ア 学長が任務を果たすことができるようにするために、理事会の権限の一部を学長に委任しています。
イ 学長が副学長を置くなど、各々担当事務を分担させ、管理する組織としています。
ウ 各々の所掌する校務及び所属教職員の範囲については、可能な限り規程整備等 による可視化を図ります。
⑤ 実効性のある開催
ア 理事会は、年間の開催計画を策定し、予想される審議事項については事前に決定して全理事で共有します。
イ 審議に必要な時間は十分に確保します。
⑥ 役員(理事・監事)は、(ア)その任務を怠り、学校法人に損害を与えた場合、(イ)その職務を行う際に悪意又は重大な過失により第三者に損害を与えた場合、当該役員は、これを賠償する責任を負います。
⑦ 役員(理事・監事)が学校法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合、他の役員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は連帯して責任を負います。
⑧ 理事会の議事について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができません。
2-2 理事
(1)理事の責務(役割・職務・監督責任)の明確化
① 理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理します。
② 理事長を補佐する理事として、各々の役割を定めるほか、理事長の代理権限順位も明確に定めます。
③ 理事長及び理事の解任については、寄附行為に明確に定めます。
④ 理事は、法令及び寄附行為を遵守し、学校法人のため忠実にその職務を行います。
⑤ 理事は、善管注意義務及び第三者に対する賠償責任義務を負います。
⑥ 理事は、学校法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、これを理事長及び監事に報告します。
⑦ 学校法人と理事との利益が相反する事項については、理事は代表権を有しません。また、利益相反取引を行おうとするときは、理事会において当該取引について事実を開示し、承認を受ける必要があります。
(2)学内理事の役割
① 教職員である理事は、知識・経験・能力を活かし、教育・研究、経営面について、大学の持続的な成長と中長期的な安定経営のため適切な業務執行を推進します。
② 教職員として理事となる者については、教職員としての業務量などに配慮しつつ、理事としての業務を遂行します。
(3)外部理事の役割
① 複数名の外部理事(私立学校法第38条第5項に該当する理事)を選任します。
② 外部理事は、学校法人の経営力・マネジメントの強化のため、理事会において様々な視点から意見を述べ、理事会の議論の活発化に大きく寄与し、理事としての業務を遂行します。
③外部理事には、審議事項に関する情報について理事会開催の事前・事後のサポートを十分に行います。
(4)理事への研修機会の提供と充実
全理事(外部理事を含む)に対し、十分な研修機会を提供し、その内容の充実に努めます。
2-3 監事
(1)監事の責務(役割・職務範囲)について
① 監事は、善管注意義務及び第三者に対する賠償責任義務を負います。
② 監事は、その責務を果たすため、事前に定めた監事監査基準・同規則等に則り、理事会その他の重要会議に出席することができます。
③ 監事は、学校法人の業務、財産の状況及び理事の業務執行の状況を監査します。
④ 監事は、学校法人の業務等に関し不正の行為、法令違反、寄附行為に違反する重大な事実があることを発見した場合、所轄庁に報告し、又は理事会・評議員会へ報告します。さらに、理事会・評議員会の招集を請求できるものとします。
⑤ 監事は、理事の行為により学校法人に著しい損害が生じるおそれがあるときは、当該理事に対し当該行為をやめることを請求できます。
(2)監事の選任
① 監事の独立性を確保する観点を重視し、理事長は評議員会の同意を得て理事会の審議を経て、監事を選任します。
② 監事は2名置くこととします。
③ 監事の業務の継続性が保たれるよう、監事相互の就任・退任時期について十分考慮します。
(3)監事監査基準
① 監査機能の強化のため、学校法人愛知産業大学監事監査規程を作成します。
② 監事は、監査計画を定め、関係者に通知します。
③ 監事は、学校法人愛知産業大学監事監査規程に基づき監査を実施し、監査結果を具体的に記載した監査報告書を作成のうえ理事会及び評議員会に報告し、これを公表します。
(4)監事業務を支援するための体制整備
① 監事、公認会計士(及び内部監査者の三者)による監査結果について、意見を交換し監事監査の機能の充実を図ります。
② 監事に対し、十分な研修機会を提供し、その研修内容の充実に努めます。
③ 学校法人は、監事に対し、審議事項に関する情報について理事会開催の事前・事後のサポートを十分に行うための監事サポート体制を整えます。
④ その他、監事の業務を支援するための体制整備に努めます。
2-4 評議員会
(1)諮問機関としての役割
寄付行為第20条(諮問事項)に基づき、理事長は、評議員会に対し、あらかじめ、評議員会の意見を聞きます。なお、諮問事項に関して特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができません。
① 予算及び事業計画
② 事業に関する中期的な計画
③ 借入金(当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く。)及び基本財産の処分並びに運用財産中の不動産及び積立金の処分
④ 役員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)の支給の基準
⑤ 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄
⑥ 寄附行為の変更
⑦ 合併
⑧ 目的たる事業の成功の不能による解散
⑨ 寄付金品の募集に関する事項
⑩ その他この法人の業務に関する重要事項で理事会において必要と認めるも
(2)評議員から意見を引き出す議事運営方法の改善に努めます。
(3)評議員会は、学校法人の業務若しくは財産の状況又は役員の業務執行の状況について、役員に意見を述べ、若しくはその諮問に答え、又は役員から報告を徴することができます。
(4)評議員会は、監事の選任に際し、理事長が評議員会の同意を得るための審議をします。その際、事前に理事長は当該監事の資質や専門性について十分検討します。
2-5 評議員
(1)評議員の選任
① 評議員の人数は、理事人数に対して十分な人数を選任します。
② 評議員となる者は、次に掲げる者としています。
ア この法人の職員で勤続5年以上の者のうちから、理事会において推薦されたもののうちから、評議員会において選任した者7人
イ この法人の設置する学校を卒業した者で年令25年以上の者のうちから、理事会において選任した者
ウ 理事のうちから選任した者
エ 学識経験者またはこの法人に関係する功労者のうちから、理事会において選任した者
③ 学校法人の業務若しくは財産状況又は役員の業務執行について、意見を述べ若しくは諮問等に答えるため、多くのステークホルダーから、広範かつ有益な意見具申ができる有識者を選出します。
④ 評議員の選任方法は、各選出区分により推薦された者について、当該候補者を理事会または評議員会が選任する扱いとしています。
(2)評議員への研修機会の提供と充実
① 学校法人は、評議員に対し審議事項に関する情報について、評議員会開催の事前・事後のサポートを十分に行います。
② 学校法人は、評議員に対し、十分な研修機会を提供し、その研修内容の充実に努めます。
第3章 教学ガバナンス(権限・役割の明確化)
学長の任免は、学校法人愛知産業大学 学長、副学長、学部長及び通信教育部長選考規程に基づき、「理事長は、理事会の議を経て、学長を任命する」とあり、学校法人愛知産業大学組織規程において「学長は、法令及び学園諸規則・諸規程並びに学則に基づき校務をつかさどり、所属教職員を統率する」としています。
私立学校法において「理事会は、学校法人の業務を決する」とありますが、理事会は、 理事会の権限の一部を学長に委任しています。理事会及び理事長は、大学及び短期大学の目的を達成するための各種政策の意思決定、副学長、学部長等の任命、教員採用等については、学長の意向が十分に反映されるように努めます。
3-1 学長
(1)学長の責務(役割・職務範囲)
① 学長は、大学学則第1条に掲げる「本学は教育基本法と学校教育法に基づき、各種産業に関する知識と学術を授けるとともに、深く専門の技能・理論及び応用を教授研究し、人格の完成を図り英知と勤勉な国民性を高め、産業及び文化の発展に貢献することを目的とする。」及び短期大学学則第1条に掲げる「本学は教育基本法と学校教育法に基づき、一般教養および専門の学問、技術を教授研究し、実社会に適応できる豊かな人間性と創造性を備えた人材を育成し、もって地域社会の教育、学術文化ならびに産業の発展に寄与することを目的とする。」という目的を達成するため、リーダーシップを発揮し、大学及び短期大学の教学運営を統括し、所属教職員を統督します。
② 学長は、理事会から委任された権限を行使します。
③ 所属教職員が、学長方針、中期的な計画、学校法人経営情報を十分理解できるよう、これらを積極的に周知し共有することに努めます。
(2)学長補佐体制(副学長・学部長等の役割)
① 大学及び短期大学に副学長を置くことができるようにしており、学校法人愛知産業大学組織規程第3条において「副学長は、学長の職務を助け、事務を処理する」としています。
② 学部長、研究科長、通信教育部長の役割については、学校法人愛知産業大学組織規程第4条第2項において「学部長、研究科長及び通信教育部長は、教育研究が円滑かつ有効に行われるために、学長を補佐する」としています。
3-2 教授会
(1)教授会の役割(学長と教授会の関係)
大学の教育研究の重要な事項を審議するために教授会を設置しています。審議する事項については大学学則第46条及び短期大学学則第40条に定めています。
学長は、大学学則第46条及び短期大学学則第40条に定めるもののほか、教育研究に関する重要事項は、教授会に意見聴取を行うことができます。
ただし、学校教育法第93条に定められているように、教授会は、定められた事項について学長が決定を行うに当たり意見を述べる機関であり、学長の最終判断が教授会の審議結果に拘束されるものではありません。
第4章 公共性・信頼性(ステークホルダーとの関係)
私立大学は、常に時代の変化に対応した高い公共性と信頼性が確保されなければなりません。建学の精神・理念に基づき自律的に教育事業を担う私立大学は、こうした高い公共性と信頼性のもとでの社会的責任を十二分に果たして行かねばなりません。ステークホルダー(学生・保護者、同窓生、教職員等)はもとより、広く社会から信頼され、支えられるに足る存在であり続けるために、公共性と信頼性を担保する必要があります。
4-1 学生に対して
学生の学びの基礎単位である学部等においても、3つの方針(ポリシー)を明確にし、入学から卒業に至る学びの道筋をより具体的に明確にします。
① 学部・学科、研究科・専攻、通信教育部及び短期大学の3つの方針(ポリシー)
ア 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
イ 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
ウ 入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
② 自己点検・評価を実施し広く社会に公表するとともに、その結果に基づき学生の学修成果と進路実現にふさわしい教育の高度化、学修環境・内容等のさらなる整備・充実に取組みます。
③ ダイバーシティ・インクルージョン(多様性の受容)の理念を踏まえ、ハラスメント等の健全な学生生活を阻害する要因に対しては、学内外を問わず毅然かつ厳正に対処します。
4-2 教職員等に対して
(1)教職協働
実効性ある中期的な計画の策定・実行・評価(PDCAサイクル)による大学価値向上を確実に推進するため、教員と事務職員等は、教育研究活動等の組織的かつ効果的な管理・運営を図るため適切に分担・協力・連携を行い、教職協働体制を確保します。
(2)ユニバーシティ・ディベロップメント:UD
全構成員による、建学の精神・理念に基づく教育・研究活動等を通じて、私立大学の社会 的価値の創造と最大化に向けた取組みを推進します。
① ボード・ディベロップメント:BD
ア 役員に対して、研修や情報提供の機会を設け、その内容の充実に努めます。
イ 監事は毎年度策定する監査計画と監査報告書を理事会並びに評議員会に報告し ます。
② ファカルティ・ディベロップメント:FD
ア 3つの方針(ポリシー)の実質化と教育の質保証の取組みを推進するため、教員個々の教育・研究活動に係るPDCAを毎年度明示します。
イ 教員個々の教授能力と教育組織としての機能の高度化に向け、学長のもとにFD 推進組織を整備し、年次計画に基づき取組みを推進します。
③ スタッフ・ディベロップメント:SD
ア 全ての教員・事務職員等はその専門性と資質の向上のための取組みを推進します。
イ SD推進に係る基本方針と年次計画を定め、計画的な取組みを推進します。
ウ 教職協働に対応するため、事務職員等としての専門性、資質の高度化に向け、年次計画に基づき業務研修を行います。
4-3 社会に対して
(1)認証評価及び自己点検・評価
① 認証評価
平成16(2004)年度から、全ての大学は、7年以内ごとに文部科学大臣が認証する評価機関の評価を受けることが法律で義務付けられました。 本学も評価機関の評価を受審し、評価結果を踏まえて自ら改善を図り、教育・研究水準の向上と改善に努めます。
② 自己点検及び評価結果等を踏まえた改善・改革(PDCAサイクル)の実施
教育目標や組織目標の実現に向け、それらの目標の達成状況及び各種課題の改善状況等に関する定期的な自己点検・評価を実施し、その結果を踏まえた改善・改革のための計画を策定し、実行します。
③ 学内外への情報公開
自己点検や改善·改革に係わる情報及び保有する教育・研究をはじめとする各種情報資源を、刊行物やホームページ等を通じて積極的に公開することにより、学内外 の関係者及び社会に対する説明責任を果たします。
(2)社会貢献・地域連携
① 資源を活用し、社会の発展と安定に貢献するため、教育・研究活動の多様な成果を社会に還元することに努めます。
② 産官学の組織的連携を強化し、「知の拠点」としての大学の役割を果たすとともに、産学、官学、産産等の結節点として機能します。
③ 地域の多様な社会人を受け入れるとともに、時代の要請に応じた生涯学習の場を広く提供します。
④ 大規模災害への対応として、日常的に地域社会と減災活動に取組みます。
⑤ 環境問題を始めとする社会全体のサステナビリティを巡る課題について対応します。
4-4 危機管理及び法令遵守
(1)危機管理のための体制整備
① 危機管理体制の整備と危機管理マニュアルの整備に取組みます。
ア 大規模災害
イ 不祥事(ハラスメント、公的研究費不正使用等)
② 災害防止、不祥事防止対策に取組みます。
ア 学生・生徒等の安全安心対策
イ 減災・防災対策
ウ ハラスメント防止対策
エ 情報セキュリティ対策
オ その他のリスク防止対策
③ 事業継続計画の策定に取組みます。
(2)法令遵守のための体制整備
① 全ての教育・研究活動、業務に関し、法令、寄附行為、学則並びに諸規程(以下、法令等という。)を遵守するよう組織的に取組みます。
② 法令等に違反する行為又はそのおそれがある行為に関する教職員等からの通報・相談(公益通報)を受け付ける窓口を常時開設し、通報者の保護を図ります。
第5章 透明性の確保(情報公開)
私立大学は、日本における高等教育の大きな担い手であり、公共性が高く、社会に質の高い重要な労働力を提供する機関であることを踏まえ、法人運営・教育研究活動等について、透明性の確保にさらに努めます。
私立大学は、多くのステークホルダーから支持されることが必要ですが、大学の目的は教育・研究・社会貢献等多岐にわたっており、それぞれに異なるステークホルダーが存在することを踏まえた上で、法人運営・教育研究活動の透明性を確保します。
私立大学は、高等教育を担う公共性の高い機関であることから、企業のように、利益を追求する「株主への説明責任である」との位置付けとは異なり、法人運営・教育研究活動の公共性・適正性を確保し、透明性を高める観点からステークホルダーへの説明責任を果たします。
5-1 情報公開の充実
(1) 法令上の情報公表
公表すべき事項は学校教育法施行規則(第172条第2項)、私立学校法等の法令及び日本 私立大学団体連合会のガイドライン等によって指定若しくは一定程度共通化されていますが、公開するとした情報については主体的に情報発信していきます。
① 教育・研究に資する情報公表
ア 大学の教育研究上の目的
イ 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
ウ 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
エ 入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
オ 教育研究上の基本組織
カ 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績
キ 入学者の数、収容定員、在学学生数、卒業又は修了者数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況
ク 授業科目、授業方法及び内容並びに年間の授業計画
ケ 学修成果に係る評価及び卒業又は修了認定に当たっての基準
コ 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境
サ 授業料、入学料等の大学が徴収する費用
シ 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援
ス 学生が修得すべき知識及び能力
② 学校法人に関する情報公表
ア 財産目録・貸借対照表・収支計算書
イ 寄附行為
ウ 監事の監査報告書
エ 役員等名簿(個人の住所に係る記載の部分を除く)
オ 役員報酬に関する基準
カ 事業報告書
(2)自主的な情報公開
法律上公開が定められていない情報についても、積極的に自らの判断により努めて最大限公開します。事例としては次のような項目があります。
① 教育・研究に資する情報公開
ア 海外の協定校及び海外派遣学生者数
イ 大学間連携
ウ 地域連携並びに産学官連携
② 学校法人に関する情報公開
ア 中期的な計画
イ 経営改善計画
(3)情報公開の工夫等
① 上記(1)②及び(2)②の学校法人に関する情報については、Web公開に加え、各事務所に備え置き、請求があれば閲覧に供します。
② 情報公開に当たっては、対象者、方法、項目等を明らかにした情報公開方針を策定し、公開します。
③ 公開方法は、インターネットを使ったWeb公開が主流ですが、閲覧者が多岐にわたることを考慮し、「大学ポートレート」を活用するほか、学校要覧、入学案内、広報誌、各種パンフレット等の媒体も活用します。
④ 公開に当たっては、分かりやすい説明を付けるほか、説明方法も常に工夫します。