デザイン学科プロダクトコース新設特別対談

愛知産業大学通信教育部では、来年度より、デザイン学科にプロダクトコースが新設されます。プロダクトデザインコースには、ものづくりデザイン専攻と福祉デザイン専攻があります。このコンテンツは各専攻の教授による対談特集です。

プロダクトデザインを語る。

鈴木宏明教授(福祉デザイン専攻)×竹内一立教授(ものづくりデザイン専攻)

---デザインと聞くと、別世界と考えてしまう人が多いのですが、先生方の考える「デザイン・デザイナー」を一言で表現していただきますと。

鈴木私は生活の中で使う道具を永年造ってきました。その経験から言えば、良いものを造るためのプロデューサー、コーディネーターがデザイナーだ、と思います。デザインは、どんなものにも必要不可欠な大切な要素です。例えば、冷蔵庫の新型を造るときにエンジニアは、長持ちする静かな機械を造ろうとするでしょう。しかし、それだけでは、商品にはなりません。社会のニーズ、その時代にある技術、伝統などの条件があります。それらを踏まえた上で、より先端的なものを造り上げていく必要があります。「使いやすい」が重要視される時代、「見た目が良い」ことが大切な時代もあります。それを総合的な判断のもと、まとめて商品にするのがプロダクトデザイナーです。

竹内先生が言われるのが、広義の意味でのデザインっというか、本当のデザインの解釈ですね。一方、世間では、形、色をデザインすることが、デザインだと考える傾向にありますね。これは、狭義のデザインです。私は形、色が良くても、使いづらいもの、時代にマッチしないものは良いデザインではない、とも思います。そのものが世の中にあって良いのか、また今の時代で言いますと、使用し終ってゴミになったときに困らないか、まで考えたうえで良いものを造るのが、プロダクトデザイナーだと思っています。

鈴木良く言うと、「言葉を形にそして商品にする」のがデザインでは。

---と言いますと。

挿絵写真:鈴木教授

鈴木リハビリするとき、道具を使いますよね。その人の病状、身長体重などによって、こんなリハビリの道具があったらと、言葉では言えると思います。でも、形にして商品にすることは、なかなか技術職の人だけではできません。それを総合的にコーディネイトするのがデザイナーの仕事です。

---夢がある仕事ですね。

竹内ヨーロッパのデザイナーは、企業に勤務するのではなく、フリーでやっている人が日本より多いのですが、企業と丁々発止わたり合う実力があり、デザインが認められなければ生きていけません。それだけ製品の出来上がりに気を遣うわけです。逆に言いますと、幅広く考えそして良いものづくりをしていると思います。

---日本は。

竹内インハウスデザイナーというか、企業の中のサラリーマンデザイナーが多いですから、制約を受けやすいですね。一応生活の安定は保障されていますし(笑)。

鈴木フリーかインハウスの違いもあるでしょうが、商品と製品の違いはあると思います。インハウスのデザイナーがデザインするのは、商品なんです。売れなければいけないんです。そのためには、多少泥臭く造ります(笑)。企業のイメージアップとか方向性を出すときなどは、最先端の製品を造ります。

---今までの話を聞いていますと、デザインって幅広いんですね。

挿絵写真:竹内教授

竹内少し話しがずれますが、デザインアドバンスっていうか、デザインが分かる人間が多く育って欲しいと思っています。いや、プロという意味ではありませんよ。何か買い物をするときでも、デザインのことが少し分かると、大きく違ってくると思います。家庭でも、職場でも、経営者の人でも、デザインは特別って思わず、この世界にも入ってきて欲しいですね。

鈴木ちょっとしたことですが、色彩を学べば、買い物するときの視点が変わると思います。例えば、この色のジャケットには、このスラックスという感じにですね。文化水準が上がるというのは、ものが良くなることでもあるんです。

---楽しそうですね。

鈴木来年度から新たに福祉デザイン専攻を立ち上げますが、プロのデザイナーの養成に限らないと思っています。今、働いている職業にデザインが融合できないか、というのも大きなテーマです。例えば保育士の方がデザインを学び保育に取り入れる、作業療法士の方は、まさに仕事とデザインが融合していると思っています。他にも多くの仕事、職業とデザインの世界は融合できる、と感じています。

竹内ものづくり専攻の方は、身近な道具、もののデザイン、ものづくりを考えています。身のまわりの道具から考えてデザインの世界に入りましょう、というコンセプトです。

プロフィール

鈴木宏明

1966年多摩美術大学デザイン科卒業。神奈川県商工部の嘱託として13年間デザインコンサルタントを担当。通産省Gマーク審査員、中小企業庁中小企業経営委員、神奈川県デザイン協会会長、かながわデザイン機構副理事長などを歴任。

竹内一立

1964年金沢美術工芸大学産業デザイン学科卒業。同年(株)平野デザイン設計[東京]に入社し、28年間勤務。大型業務機器、事務用品、をはじめ、CI計画や文字デザインなどを手がける。通産省Gマーク選定17点、Gマーク部門特月賞2点、ハノーバーメッセif賞、オランダION賞などを受賞。

プロダクトコースについて

プロダクトコースの情報は、こちらをご覧ください。情報は順次追加していく予定です。


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