建築学科インタビュー
守屋教授が考える愛知産業大学の建築学科をインタビューしました。
愛知産業大学通信教育部、建築学科特色を語る
守屋弓男教授
「卒業したら資格を取得して建築家になる」こんな意気込みで
私の教育目標は「卒業したら建築士の資格を取得して、建築家として建築士事務所を開ける」としています。「通信教育部の卒業生は、すぐに建築家になろう」その実力を付けるのが建築学科の役割です。教養レベルではありません。建築学の本来の専門教育レベルです。社会人の皆さんだからこそ、可能性が大なのです。なぜなら、建築家には社会経験が重要です。社会人の方は実社会で得た営業力はある、人付き合いもできる。いろいろな人間関係ができていますから、独立開業には問題ありません。建築事務所で10年働いても、そのお客様を連れて独立するわけにはいきません。営業で苦労し、経営が安定するのに10年。通信課程の社会人でしたら、早々に独立することを考えても良いと思いますね。22~23歳の若者じゃないですから、建築家になる夢をすぐにでも目指すべきです。最初から高層ビルを建てるわけではありませんから。小規模な建築からはじめて、充分頑張っていけます。
建築の目的は快適で美しい空間を作ること
雨漏りしなければ良い、耐震性があって安全であれば良いというものは建築ではありません。それは建物、建ったハードなモノに過ぎない。建築とは、人が住む空間であり、快適で誇りを持てるものです。そこに住む人の品格を感じるものでなければいけません。建築が街と調和していることも大切です。そんな建築を造ることが建築家の役割ともいえます。設計料が高くても頼みたい、と言われるような建築家になるのが理想でしょう。人と違うオリジナルな設計が出来ないとビジネスになりません。それには、発想力、創造力にプラスして施主の気持ち、要望を聞けることが大切です。
現役の建築家として活躍している教員だからこそできる教育がある
スクーリングを担当する講師陣の多くは、社会で活躍している建築家です。そこが大きなポイントだと考えています。この指導体制には、自信を持っています。教員が現場で活躍していなければ、社会で通用する建築を指導できません。現役建築家が建築家を目指す人を育成する、まさに理に適っているでしょう。例えば建築史学を教えるにしても、現代建築の出発点である近代建築技術史をまず教えると良いと思います。「今ある技術はどのような経緯でできたか」という技術の歴史を知って欲しいですね。それを知れば一つひとつの技術の大切さが解かります。鉄筋を減らすなんていう手抜きができなくなります。
住宅設計、その前に、Dog CabinやBus Stopの造形デザインを
建築設計は、住宅からスタートするのが普通です。本学科では、自分たちが住んできが故に、既成概念が固まっている住宅からのスタートはしません。造形学部ですから、住宅の設計からではなく、頭を柔らかくするために、犬小屋、バス停、モニュメントのデザインからはじめます。犬小屋だと最初ホームセンターに売っているポチの家みたいなのを考える学生がいます。それが既成概念でダメです。「犬の気持ちになってみろ」、「犬になって犬の目線で見てみろ」と言います。犬の目線と子供の目線って共通するものがあると思いませんか。自分中心はだめです。使う人が中心でなければいけません。バス停は、ポールと屋根があれば良いというものではありません。バスと乗降客の為の場であり、乗降およびウェイティングのための空間のデザインです。その場所は住宅街であったり、学校の前であったり、商店街の中であったりするわけです。利用者も周りの景色もすべて違います。そこにどのような快適な空間を造れるかがバス停なのです。
建主にプレゼンができる。これもポイント
建主に伝える力も大切な要素だと思います。プレゼンテーションがしっかりできる能力の養成にも力を入れています。いちばん分かり易いのは模型やCGです。設計の有効なプレゼンができるよう、模型や、CG、図面、プレゼンパネルの作成にもウエイトを置いています。実際の設計業務で何が求められているのか、使用者や利用客が建築に何を求めているのか、それが理解できること、そして建主に満足していただけるプレゼンができてこそ仕事になるのです。建築士の合格は当然なこと。まずは建築士合格を目指して、卒業後のフォローアップもしています。社会のニーズに対応し、実践で活かせる技能、知識を持ったプロフェッションの教育が、本科の目指すところです。
「再利用できる建築」これが私の研究テーマ
20世紀の大量廃棄の時代は終わりました。建物も産業廃棄物や粗大ゴミになるということから脱皮しなければいけません。私は近代建築技術の到達点として、鉄骨造の大空間を溶接せずに造ることを研究し設計しています。鉄骨造の溶接は電気エネルギーを多大に使用します。溶接せず、ボルトなどの機械接合のスペースフレームを設計しています。ボルトを外せば解体できます。それをしまっておいてなんどでも再利用します。寒冷地に安く、再利用可能なドームができたら、地球に優しく、生活も仕事も快適になり、人にも優しい建築です。農場にかけると農作物の収穫も大いに上がると思いませんか。この軽くて安全なスペースフレームの技術で、快適な大空間を創造することを今後も続けたいですね。





